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2006年10月10日 (火)

【書評】若者はなぜ3年で辞めるのか?

答えは,老人達のエゴ。
そして,これから老人になろうとする人々のエゴ。



若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来


Book

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来


著者:城 繁幸

販売元:光文社

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この本にも書かれているが,私(30歳)より少し上の,35~40歳の人たちが特に気の毒な感じである。
私の勤めている役所で言うと,少なくともパソコンが1人1台に配布されるなど,就職する際に考えもしなかっただろうと思う。とにかく仕事に必要とされる技能がここ10年で劇的に変わった。
これからワープロに替わって,パソコンがメインになりますよ!と先輩に言っても「はあ?」と言われていたのが,たかだか6年前のことである。そこからついていけなくなった人々のストレスたるや相当なものであろう。
単に年功序列が崩壊したのみならず,時代のキャズムにまともに呑み込まれた年代である。
入社だけなら,バブル期の大量採用で楽勝だったのに,波乱に富んでいるの一言では済まない。

ともかく,そこから一回り後に就職することとなった私等においては,就職においてはただ悲惨の一言だった。
大学の法学部卒で,内定が取れた者がだいたい4人に1人だっただろうか。
100人が受験した市役所の試験で,合格した3人の中になんとか這入れたわけだが,とにかく急場を凌ぐために必死で逃げ込んだシェルターと言うべき部分が大きい。

そういえば,試験のときに書いた小論文のテーマが「高齢者と若年層の対立」だったなあ(´・ω・`)
実際には住む世界が全く違う故に対立すら表面化しないわけだが,これはまた別の話。

そうやって就職した年代にとってこれから最も難儀な「仕事」は,働く動機の確保である。

辞めようと思えばいつでも辞められるし,役職が上がることに対して大した夢も無い。
組織のために自己を犠牲にするという忠誠心が果たして現在の若者にどれだけ残っているだろうか。
ただ役所はある程度Mなところが無いと務まりませんがw

就職してから大変な35歳,就職するまでにひどい思いをした30歳,それぞれの年代に困難さを抱えているわけだが,なんとか「充実した仕事をしたい」という欲求のもとに,社会を変えていくことはできないだろうか。

同じような感じで40歳,50歳,そして定年間際の人々は,なんとか年功序列のルールを維持し,最後まで完走できるものなら完走して,退職金をもらって逃げ延びることにエネルギーの大半を費やしている。
いずれにしても,組織で何かを成そうとするよりも,組織が自分に何をしてくれるか(そのために組織を維持することが何よりの目的となっている)をひたすら望み,自分のエゴに汲々としている。この点も年功序列が残した弊害と言えるのではないだろうか。

全ての年代の人々が似たような煩悶を抱えながら,パラレルな世界が林立し,けっして交わり,対話することがない現状に苛立ちを覚えずにいられない。

本書がどうしても現代社会の困難さと問題点の羅列が続き,組織から飛び出す者,組織に裏切られる者,組織を立ち上げる者,組織にしがみつく者それぞれの成り行きを書いているが,ではどうすればいいかというという特効薬を提示するとなると非常に難しい。本書はやはり若者の政治への参加,自己の確立,そして教育の改革という点に収斂している。

逆に言えば,それほどまでに日本人に自立心,自律心が養われていないことになるのだが,こういうファンダメンタルな話になると,またどうしても宗教の話をしたくなるが,もう少し社会制度の上でいじれる点がいろいろありそうな気がする。

少なくとも労働基準法に書いてあるとおりの労働時間,採用ルール,休暇制度を遵守するだけで,労働環境は今より大分まともになると思うのだが,取り締まる側が及び腰なのか,周りを見回しても休めないのが当たり前な職場がそこらじゅうにある。私のヨメさんが勤めていた病院の看護師の待遇などを書いてみたくもあるが,この件は長くなりそうなので機会があれば改めて書きたい。

ともかく,労働基準法の保障する労働環境が死文化しているのは,特に形骸化した労働組合,休暇申請を出せない職員一人一人の責任を指摘するべきであろう。

法の上に眠る者は救われない。

やりがいを持って働ける職場の実現のためには,自分からそうするための具体的な行動が必要なんじゃないでしょうか。

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