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2007年4月27日 (金)

NHK にっぽんの現場をみた

ベッド難民はどこへ行く 武蔵野療園病院 医療相談室

医療費の削減で療養型病床群が減らされ,行き場を失う寝たきりの重症患者達が描かれていたが,実際のところ,入院先の問題というのは本人あるいは家族にとっては,数多く降りかかる苦悩のうちの一つであることは間違いないが,問題の全てではない。

高齢で一度失った身体機能を取り戻すのは至難の業である。
つまりは,介護度の重症化こそ人知の及ぶ限り全力で食い止めなければならない。先天性のものならいざ知らず,急性期を脱した患者の処置を間違い,廃用が進行してしまうほど,状況は絶望的になっていく。時間との戦いである。
番組に出てきた高齢者のように,重度の要介護状態に進行してしまうと,打てる手は非常に限られてくる。具体的に言うと入院または施設入所に選択肢は狭められ,在宅というオプションはもはや不可能だろう。あるいは早めに手を打てばまだ間にあったのかもしれない。これ以上悲劇を増やしたくないという思いを込め,言い方が非常に悪いのを承知で言うが,彼ら/彼女らはすでにあらゆるチャンスを逃してしまった手遅れの状態なのだ。

ところで今回の番組,主として高齢者の窮状の原因を医療費の削減に向けていたような気がしたが,見方が間違っていただろうか?
もう片方の,要介護度の悪化防止に目を向けなければ,話半分なのではないだろうか?
全てのケースとは言わないが,早めに手を打つことで,避けえた未来もあったはずだ。

この問題においてNHKが送るべきメッセージは,「ベッド数を増やせ」よりも「あなたは決して寝たきりにならないで」の方が適切ではないだろうか。取材に協力した高齢者は,果たして自分と同じ目にあう者がこれ以上増えることを望んでいるだろうか?そんなはずはない,と信じたい。

できれば実際に要介護者を家族に持つ人々も,これ以上同じ目にあう人間を増やさないように声をあげてほしい。先を行く者が警告を発せず,後に続く者が次々と悲劇に落ちていく光景を指して,地獄と言う以外になんと表現すればいいのだ。

ベッド数を増やし,医療にかける金をいくら増やしたところで,医療関連業界の売り上げが増えるだけで,どっちにしろ寝たきり高齢者の数が減らなければ,問題が解決したとは言えない。症状が重症化してしまってから,病院にすがりつきたい気持ちは痛いほどよく分かる。人の身に時を巻き戻す力がないことは,時が過ぎてから思い知らされる。

#一部加筆修正しました。

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