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2008年3月 2日 (日)

【ノート】認知症講演会 2日目

2日目 13:00-15:00
「認知症の大部分は心の生活習慣病」

講師 日本早期認知症学会
金子 満雄

認知症を取り巻く医療の現状
医者の知識不足
重度化してから受診する(手遅れ)
社会的に様々な誤解
→脳卒中と認知症は全く別の病気
同時に複数の課題が処理できなくなる
→オレオレ詐欺にかかる等は認知症による可能性

生活習慣型認知症=90%
アルツハイマー「型」を含む(本来のアルツハイマー病:遺伝性疾患とはまったく原因の違う病気)
血管性=5%,変性疾患(若年性アルツハイマー含む)=2%

認知症の発症確率

高齢化率:間もなく30%
なんらかの認知症:65歳以上の3割(環境により増加するため最小値)
うち軽度2:中度2:重度1の比率
問題行動発生者:全人口の0.6%(1万人の地域なら60人)
地域内の脳リハビリ施設の必要数=8ヶ所

認知症になりやすい人・家族
認知症は家族の病気でもある
感性に乏しい生活,人生史
麻雀,花札,ゲーム等を知らない,音楽に興味がない
家庭内が不和,敵対しているためストレス
「ボケの起こる家庭はダメな家庭」とまで言い切れる。

今の季節に咲く花を6つ答えられない
沈丁花の花を知らない
=7割が75歳までにボケる

認知症はどこまで回復可能か
MMSやPET,感性度調査等の検査により認知症の進行度を確認
前頭葉の機能低下による病状が重要
→記憶機能はさほど問題ではない
中度:セルフケア可,5-7歳程度の知能
↑ここまでなら回復可,それ以上は手遅れ

脳リハビリの原則
・家庭の団らん
・運動
・趣味
・頭を楽しく使う

趣味=稽古(物まね)ではない,前頭前野を使うもの
麻雀,花札等のゲームは相手の感情を読むことで心のつながりが生まれ,高い効果をもたらす

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15:00-17:00
「本人の立場から考える認知症ケア」
講師 NHKチーフディレクター
小宮 英美

番組上映
ふたりの時を心に刻む(2005年放送)
若年性アルツハイマー患者,越智俊二氏と,介護する妻
認知症患者自ら講演で語り始める
数秒前の記憶がない
「認知症は何も分からなくなる」という偏見を打破,自分の病気を自覚し,苦しみを感じていることを語る

一般的にアルツハイマー病は発症から8年以内に死に至ると言われているが,越智さんは現在も元気に生活し,14年生存している。

社会と認知症患者の関わりあいの変化

1973年 有吉佐和子の小説「恍惚の人」
認知症を介護する家族の側からの視点,介護負担を背負わされる大変さの社会問題化

1989年 ゴールドプランによる介護サービスの増量
家族の介護負担を国が肩代わりするようになるが,認知症高齢者本人を隔離,抑圧することで犠牲にしてきた

現在 認知症患者本人による語りの始まり
本人本位のサービスを提供することにより症状(問題行動)を緩和し,結果的に家族の負担を減らそうとする狙い
認知症患者の処遇の大転換が起ころうとしている

様々な認知症患者の見せる姿

クリスティーン・ブライデン(ボーデン)氏(豪)
極東ブログ(finalvent氏)による言及
「認知症になっても自分自身がなくなるわけではない,偏見を捨てて欲しい」

越智俊二氏
「私は,母さん(妻)のことを,忘れたくないのに,忘れていきます。もし,忘れたとしても,私の心の中には残るはずです。そう,思っていたいのです。」

ある認知症の元将棋名人
将棋の駒を見せるだけでは,口に入れてしまうが,
盤上に駒を並べ,向き合って座ることで,将棋を指し始め,施設職員が勝つことができなかった。

一般的な経験則として,時間の経過に沿って判断を積み重ねる能力が衰えていくが,その場の状況を見た上での判断は人生経験なりに可能であり,また長く生きてきたプライドも残存している。
認知症患者も心があり,自分の病気の症状に苦しんでいることを認識しなければならない。

「異常な状況で異常な行動をするのは,正常なことだ」
(ユダヤ人医師)

医療職は,病気にばかり目がいきがちであるが,人間は環境に大きくされやすく,社会の中で生きることでその人らしく生きられる生き物である。
「ボケても安心して暮らせる社会」を作るよう努力するべき。

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