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2008年3月 1日 (土)

【ノート】認知症講演会

1日目
認知症の人の尊厳を支えるケア
2008.3.1@鹿児島純心大

講師 認知症介護研究・研修東京センター
諏訪 さゆり

認知症とは
脳疾患による症候群。
一度発達した脳機能が病気により障害を受けることによって起こるので,児童には起こらない
患者自身に大人としての自意識は残っており(子どもに戻るわけではない),認知機能が失われていることを他者に悟られまいとして様々な行動を起こす。

認知症の中核症状(基本障害)

1 記憶障害
2 見当識障害
3 失語
4 失行
5 失認
6 実行機能障害
特に1の記憶障害は短期記憶障害の傾向が強い。
また,体験全体を忘れてしまう傾向がある(食事をした事実そのものの記憶を保持できない)

問題行動の裏に隠された気持ちと行動

繰り返し薬を求める(問題行動)
中核症状:短期記憶障害で薬を飲んだ事実を記憶できない
→とても気になる,大事なことであるという意識
(薬を飲んで,症状を治したいという意思の表れ)

施設職員に「奥さん」「御主人」と呼びかける
中核症状:人物の見当識障害
→相手に失礼と思われたくない
(相手に敬称で呼びかければ,失礼だと思われないだろう)

家に帰ると言い出す
中核症状:場所の見当識障害
→自分がここにいていいのかどうか分からない
(家に帰るという名目なら止められずに開放してもらえるだろうと,大人の知恵で判断しようとする)

認知症の人の尊厳を支えるとは
行動障害は,認知機能の低下を補おうとして自分なりに考えて行動する結果であり,行動障害を消去しようとして処置を行うと,本人の真意を満たすことができず,症状が悪化する。
よって,受け止める側が本人の真意を補うことによって,本人の意欲を理解することが重要。
中核症状と問題行動の相関関係は,本人の意欲・意思や価値観・判断基準または人生によって大きく異なる。一般的に人と関わるときは相手の価値基準を理解せずに関わることはコミュニケーションの障害を招きやすい。

ADLとICF
WHOによる国際生活機能分類
本人の備える心身機能,身体構造,活動,参加能力が,
健康状態,環境因子,個人因子といった変数によって影響を受け,それらの密接な相関関係により障害を誘発する。
誰もが少なからず障害の因子を持っており,環境さえ整えば障害を起こす(ex:妊婦が移動に支障をきたす)という考え方から,障害の因子があっても環境を改善することで支障のない日常生活を実現できるという考え方。
本人自身の身体能力のみを考慮するADLとは違うアプローチ。
参考→ユニバーサルデザイン(wikipedia)

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